SSブログ

脱原発佐賀ネットワークから知事への面会要請

昨日の記事のように、脱原発佐賀ネットワークは原子力安全課を通じて知事に質問状を渡し、面会要請を行いました。質問状全文を以下に転載します。
佐賀新聞と西日本新聞の取材がありました。前者はネットに記事が出ています。
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/811506

------------
             2022年2月14日
佐賀県知事山口祥義様
  脱原発佐賀ネットワーク
   玄海原発対策住民会議
   さよなら原発!佐賀連絡会
   玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
   さようなら原発1000万人アクション
   佐賀県原発問題対策協議会
   プルサーマルと佐賀県の100年を考える会
   原発を考える鳥栖の会
   原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団
   玄海原発反対!からつ事務所
   玄海原発の廃炉問題を考える会
   原発と放射能を考える唐津の会
  代表 豊島耕一・野中宏樹
  連絡先 原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団
  〒840-0825佐賀市中央本町1−10
  ニュー寺元ビル3F佐賀中央法律事務所内
  (担当:林田)電話(ウェブでは省略)

知事におかれましては、コロナ対策をはじめ県政運営にご多忙なことと拝察申し上げます。

九州電力玄海原子力発電所における「乾式貯蔵施設」の設置問題に関する貴職との質疑が、本ネットワークの構成団体の1つである「さよなら原発!佐賀連絡会」との間で、これまで2度にわたって行われました。毎回の多岐にわたるやり取りに応じられたことに本ネットワークとして敬意を表します。しかしながら、その往復は原子力安全対策課を通じての、主に文書による間接的なものでした。公表されたそれらのやりとりからは、知事ご自身との直接の対話によらなければ解明できないと思われる問題点があることが明らかになっています。つきましては、そのための十分な面会の時間を設けていただくようお願いします。日程は3月前半までを強く要望いたします。

以下で「要望」、「質問」、「回答」とあるのは、「さよなら原発!佐賀連絡会」との間でのやり取りに関するものです。

1.10月4日付再質問の「要望1」(注1)および「質問6」(注2)で、公開の説明・意見聴取の行事に値しないと考え得る根拠と、規制委員会審査の内容確認後の県としての判断を、県庁部内だけで行うのかどうかをお尋ねしました。これらに明確な回答がありません。同じく8月16日付質問の「質問4」(注3)の使用済み燃料が50年後に搬出先がなくそのまま放置される恐れに対しても同様です。知事のお考えを直接伺いたいと思います。

2.最初の回答(9月22日付け)で、(乾式貯蔵に関して)「原子力規制委員会の審査内容を確認しているところであり、今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討する」という表現が繰り返されていますが(8月16日付け質問5および6)(注4)、その検討プロセス、判断の詳細、根拠等をどのように県民に公表されるのでしょうか?最終判断の前に県民との対話の場は設けられるのでしょうか?それとも県民・市民は結果を知らされるだけなのでしょうか?明確な回答を望みます。

11月2日付回答(注5)では意見の申し出に対して「随時お伺いする」とのことですが、そのような「申し出」がある場合は、県はその手続きが終わるまで判断を保留されるのでしょうか。

3.再質問の中の「広い視野での質問(1)」に対する、同じく11月2日付回答で、「原子力発電に頼らざるを得ない状況にある」と自らの判断を示されながら、その結果生じる「核のゴミ」の行方については、同(2)の回答で、「事業者である日本原燃が法令に基づき安全に管理・運営を行っていくものと認識」とあり、他人任せであり首尾一貫しません。日本原燃の業務が信頼できることも(環境汚染を出さないなど)自ら判断されるのでしょうか?もしそうであれば、その根拠を示していただきたい。

「乾式貯蔵施設」の問題は、原発によって生じる長期の負の遺産について私たちに改めて認識させるものです。原発が生み出す電力はせいぜいでも100年のオーダーですが、それによって生じる放射性物質は10万年の単位で残り、人間の生活圏から隔離し続けなければなりません。これは私たちの子孫においかぶさる大変な負担です。

気候危機に関しては、その影響を受ける最大の当事者である若い世代が声を上げていますが、10万年ともなれば、その未来の世代は言葉を発することすら出来ません。

であれば、政策決定のベースである「民主主義」の主体として、未来世代も含めて考える必要があるのではないでしょうか。

以上、知事のご認識を直接伺いたいと思います。

----------
(注1)質問項目と、回答の全文は県のサイト参照。(下に再録)
ホーム>組織(部署)から探す>県民環境部>原子力安全対策課>佐賀県知事への要望質問書(さよなら原発!佐賀連絡会)に回答しました
 https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00382590/index.html
要望1(10/4付):「公開の説明、意見聴取の行事に値しないと考える根拠は何でしょうか。(重大性、長期にわたる問題であることの認識は?)」
回答(11/2付):「現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会
の結果等を踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところです。なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を
述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。また、御要望、御質問に関しては、正確性を期すため文書で提出いただき、文書で回答しています。」

(注2)質問6(10/4付):「規制委員会審査の『内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討する』とのことですが、県庁部内だけで行うのですか、それとも公開の質問も可能な場を設けるのですか。」
回答(11/2付):「現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会の結果等を踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところです。なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。また、御要望、御質問に関しては、正確性を期すため文書で提出いただき、文書で回答しています。」

(注3)質問4(8/16付):「京都新聞が報じた更田委員長の心配のように、50年後に搬出先がなくそのまま放置されるとどうなりますか。放射線や放射性物質の漏れなどが予想されますか。」
回答(9/22,27付):「九州電力は、使用済燃料を六ヶ所再処理工場へ搬出することを基本方針としており、玄海原子力発電所内の貯蔵状況、同工場の運転計画等を踏まえて計画的に搬出していくとしています。
使用済燃料対策を含めた核燃料サイクル政策等エネルギー政策については、国が責任をもって決めていくべきことであり、国の責任においてその具体的な取組を加速すること、そして国民に十分な説明を行うことなどを、これまでも申し入れてきており、今後も、さらに強く求めていきます。
また、乾式キャスクは、国の審査において設計貯蔵期間中(60年)には安全機能が維持されることが確認されています。」

(注4)8月16日付け質問5および6と、9月22日付け回答は以下のとおり。
質問5:「使用済み燃料が再処理工場に搬出されるのであればそもそも乾式貯蔵施設は不要なはずです。不要なものを知事は事前了解されるのでしょうか。」
回答:「九州電力は、乾式貯蔵施設について、使用済燃料の貯蔵余裕の確保及び貯蔵方法の多様化による貯蔵の強化を図ることを目的として設置したいと説明しています。
玄海原子力発電所における乾式貯蔵施設の設置については、今年の4月28日に原子力規制委員会による設置許可がなされ、県では、7月9日に原子力安全専門部会を開催し、専門家から様々な観点からの意見やアドバイスを頂きました。
現在、そうした意見等も踏まえて、原子力規制庁や九州電力に対して、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところであり、今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討することとしています。

質問6:「乾式貯蔵施設の設置は、すでに生じてしまった放射性物質を次世代に託す問題であり、その負担をいかに最小限にするかという、倫理的にも重大な問題です。あらためて幅広い専門家や県民の意見を聞く考えがありますか。」
回答:「使用済燃料については、一定期間冷却した後、再処理工場へ搬出し再処理することが国の基本方針とされており、九州電力も、原子炉設置許可申請書において「使用済燃料は、(中略)、原子炉等規制法に基づく指定を受けた国内再処理事業者において再処理を行うことを原則とする。」とし、原子力規制委員会の許可を受けています。
乾式貯蔵施設は、使用済燃料を再処理工場へ搬出するまでの間一時的に貯蔵する施設であると説明を受けています。
現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会の結果等も踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところであり、今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討することとしています。
なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。」

(注5)10月4日付質問と11月2日付回答から
質問6:「規制委員会審査の「内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討する」とのことですが、県庁部内だけで行うのですか、それとも公開の質問も可能な場を設けるのですか。」
回答:「現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会の結果等を踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところです。
なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。また、御要望、御質問に関しては、正確性を期すため文書で提出いただき、文書で回答しています。」
                (以上)
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。