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使用済み燃料の乾式貯蔵施設問題で県から回答がありました

使用済み燃料の乾式貯蔵施設問題での8月16日の要望・質問書に対して、9月22日付で県から回答がありました。
要望・質問書
https://byenukes-saga.blog.ss-blog.jp/2021-08-16
県の回答
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00382590/3_82590_218043_up_btgrm711.pdf
12/14 リンク修正:
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00382590/3_82590_218431_up_m665g3o0.pdf
回答のリンク元
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00382590/index.html

会として内容を検討の上、コメントを出したいと思います。
(2021/12/15 追記)県の回答がpdfのため、読み取りなどの便宜性を良くするため以下にテキスト(html)に変換しました。
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原安第618号 令和3年(2021年)9月27日

さよなら原発!佐賀連絡会 代表者様

佐賀県知事 山口祥義

要望質問書に対する回答の一部訂正について

令和3年(2021年)9月22日付け原安第608号で回答した内容の一部に誤りがありましたので、別紙のとおり訂正します。

(別紙)

2021年8月16日付け要望質問書への回答
(令和3年9月27日一部訂正)

要望1.
賛成と反対の立場の専門家を含む、県民を対象とする講演・討論会の開催、および県の考えの公表と県民への説明会の開催、さらにパブリックコメン卜を実施してください。
(答)
○乾式貯蔵施設の設置については、安全協定に基づく事前了解手続きの対象とし、原子力安全専門部会を開催して専門家の御意見を伺うなど、丁寧なプロセスを経て、事前了解願いに対する県としての判断を行うこととしています。
○ 現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会の結果等を踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところです。
○ なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。
要望2.
文書での回答と原子力安全対策課長との面談、意見交換の場を設定してください。
(答)
○ 御要望、御質問に関しては、正確性を期すため文書で提出いただき、文書で回答しています。
○ また、回答に関する御意見や御質問についても、文書で提出いただければ文書で回答します。
○ なお、面談等については、別途調整させてください。
質問1.
玄海原発で計画されている乾式キャスクの素材と構造は、何年間の使用(貯蔵)に耐えるものですか。またその技術的根拠を示して下さい。7月9日の第9回佐賀県原子力安全専門部会に提出された九電の資料(資料9−1)にはこれに関する記載がありません。
(答)
○九州電力は、乾式キャスクの主要構成部材について、設計貯蔵期間中(60年)の温度、放射線及びその環境下での経年変化を考慮し、安全機能及び長期健全性が維持されることを確認しています。
○ 技術的根拠については、例えば、原子力規制庁と九州電力の面談時の資料に記載されています。
【資料の例】原子力規制委員会HP−被規制者等との面談概要・資料(2021年3月実用炉の審査に関するもの)(https://www2.nsr.go.jp/disclosure/meeting/PTS/202103.html)
※令和3年3月16日の原子力規制庁と九州電力の面談資料(690〜691頁)
質問2.
このキャスクは米国で使用されているキャスクのようにF16クラスの戦闘機の突入に耐えることができますか。大型航空機の墜落等で乾式キャスクが破壊された場合、どうやって事故の拡大を防ぐのでしょうか。
(答)
○九州電力は、乾式貯蔵施設について航空機落下確率を評価した結果、約5.8×10-8(回/炉・年)であり、評価基準に定められている10-7(回/炉・年)を下回ると評価し、航空機落下による損壊を設計上考慮する必要がないことを国が審査で確認しています。
質問3.
乾式貯蔵建屋の吸排気口が大量の火山灰など何らかの原因で詰まってしまった場合、キャスク内は、例えば1週間後、温度は何度まで上昇しますか。また、キャスクが熱で破壊されるまでの日数はどれくらいでしょうか。
(答)
○九州電力は、乾式貯蔵施設については、玄海原子力発電所における火山灰の厚さ(10㎝)を考慮し、給排気口を高い位置に設置することや積もった火山灰が侵入しにくい構造とすることにより、給排気口が閉塞しないように設計されています。
質問4.
京都新聞が報じた更田委員長の心配のように、50年後に搬出先がなくそのまま放置されるとどうなりますか。放射線や放射性物質の漏れなどが予想されますか。
(答)
○九州電力は、使用済燃料を六ヶ所再処理工場へ搬出することを基本方針としており、玄海原子力発電所内の貯蔵状況、同工場の運転計画等を踏まえて計画的に搬出していくとしています。
○使用済燃料対策を含めた核燃料サイクル政策等エネルギー政策については、国が責任をもって決めていくべきことであり、国の責任においてその具体的な取組を加速すること、そして国民に十分な説明を行うことなどを、これまでも申し入れてきており、今後も、さらに強く求めていきます。
○また、乾式キャスクは、国の審査において設計貯蔵期間中(60年)には安全機能が維持されることが確認されています。
質問5.
使用済み燃料が再処理工場に搬出されるのであればそもそも乾式貯蔵施設は不要なはずです。不要なものを知事は事前了解されるのでしょうか。
(答)
○九州電力は、乾式貯蔵施設について、使用済燃料の貯蔵余裕の確保及び貯蔵方法の多様化による貯蔵の強化を図ることを目的として設置したいと説明しています。
○玄海原子力発電所における乾式貯蔵施設の設置については、今年の4月
28日に原子力規制委員会による設置許可がなされ、県では、7月9日に原子力安全専門部会を開催し、専門家から様々な観点からの意見やアドバイスを頂きました。
○現在、そうした意見等も踏まえて、原子力規制庁や九州電力に対して、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところであり、今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討することとしています。
質問6.
乾式貯蔵施設の設置は、すでに生じてしまった放射性物質を次世代に託す問題であり、その負担をいかに最小限にするかという、倫理的にも重大な問題です。あらためて幅広い専門家や県民の意見を聞く考えがありますか。
(答)
○使用済燃料については、一定期間冷却した後、再処理工場へ搬出し再処理することが国の基本方針とされており、九州電力も、原子炉設置許可申請書において「使用済燃料は、(中略)、原子炉等規制法に基づく指定を受けた国内再処理事業者において再処理を行うことを原則とする。」とし、原子力規制委員会の許可を受けています。
○ 乾式貯蔵施設は、使用済燃料を再処理工場へ搬出するまでの間一時的に貯蔵する施設であると説明を受けています。
○ 現在、県では、乾式貯蔵施設の設置に関して、原子力安全専門部会の結果等も踏まえて、原子力規制委員会の審査内容を確認しているところであり、今後、内容が確認できた段階で、県として事前了解願いに対する県の判断を検討することとしています。
○ なお、県としては、原子力発電所に関する様々な方からの御意見について、意見を述べたいと具体的な申出があった場合は、随時お伺いすることとしています。
技術的な質問1.
鉄筋コンクリートの強度と厚さはいくらですか。
(答)
○ 鉄筋コンクリートの強度は今後実施される詳細設計にて決定されると聞いています。
○ また、乾式貯蔵建屋の壁の厚さは防護上公開できないとされています。
技術的な質問2.
給気ロと排気口の高さ、給気温度と排気温度はいくらですか。
(答)
○ 給排気口の高さは防護上公開できないとされています。
○給排気温度については、乾式貯蔵建屋の除熱評価において、乾式キャスクからの発熱などを保守的に考慮しても、給気温度の33℃に対し、排気温度が約45℃になると評価されています。
○なお、給排気口の高さについては、玄海原子力発電所における火山灰の厚さ(10㎝)を考慮して高い位置に設置するとされています。
技術的な質問3.
取扱エリアの放射線量はいくらですか。人が入って作業することがありますか。
(答)
○取扱エリアの放射線量については、貯蔵エリアに乾式キャスクを貯蔵した状態で保守的に評価した結果、最大で3.3μSv/hとされています。
○また、取扱エリアでは、作業者による乾式キャスク受入や搬出作業、貯蔵準備作業等が行われますが、作業時には、現場の線量率の測定、警報機付線量計の装着等作業者の線量限度を超えないよう被ばく管理が行われると聞いています。
技術的な質問4.
貯蔵エリアの放射線量はいくらですか。人が入って作業することがありますか。すべて自動ですか。
(答)
○ 乾式キャスクの線量については、設置許可基準規則や事業所外運搬規則に定めるキャスク表面等の線量基準値を満足することを確認されています。
○具体的には、表面から1m離れた位置で最大86μSv/hとなり、線量基準値である100μSv/hを下回ることを確認されています。
○また、貯蔵エリアでは、作業者による定期的なパトロールや、乾式キャスクの運搬等が行われますが、作業時には、現場の線量率の測定、警報機付線量計の装着等作業者の線量限度を超えないよう被ばく管理が行われると聞いています。
技術的な質問5.
貯蔵、取扱エリアにスプリンクラー、消火設備は設置されていますか。
(答)
○ 乾式貯蔵施設内には、消防法に基づき、火災感知器、屋内消火栓設備等の消火設備が設置されると聞いています。
技術的な質問6.
外筒の炭素鋼の厚さは何センチですか。
(答)
○ 炭素鋼の厚さは、最も小さい箇所でおおむね25㎝(内訳:胴約23cm、外筒約2cm)と聞いています。
技術的な質問7.
キャスクの塩害対策はどのように行われていますか。
(答)
○ 乾式キャスクの大気に触れる部分には塗装等の防食措置を行い、また、3か月に1回の巡視点検において外観確認を実施すると聞いています。
技術的な質問8.
中性子遮へい材の必要量はどのように計算されていますか。
(答)
○ 中性子遮蔽材の必要量については、乾式キャスクに収納する使用済燃料の放射線量をもとに、設置許可基準規則や事業所外運搬規則に定めるキャスク表面等の線量基準値を満足するように計算されていると聞いています。
技術的な質問9.
中性子遮へい材の熱による劣化はどのように考えられていますか。
(答)
○中性子遮蔽材については、設計貯蔵期間中(60年)の熱による材質の劣化を保守的に考えた場合でも、健全性が維持できることが国の審査で確認されています。
技術的な質問10.
第9回専門部会資料9−1、17ページによると、中性子遮へい材の基準値は149℃以下ですが、接する胴の最大値は150℃ですから、149℃を超える可能性がありませんか。この場合、必要な安全性が確保されていることにはならないのではないでしょうか。
(答)
○ 資料中の部材の温度の評価結果には、部材のうち最も高くなる部位(胴内
側付近)の温度が記載されており、中性子遮蔽材の温度が基準値(149℃)を超えないことが国の審査で確認されています。
技術的な質問11.
同じく、金属ガスケットの基準値は130℃以下ですが、接する1次蓋、2次蓋の最大値は150℃ですから、130℃を超える可能性がありませんか。この場合、必要な安全性が確保されていることにはならないのではないでしょうか。
(答)
○資料中の部材の温度の評価結果には、部材のうち最も高くなる部位(胴内側付近)の温度が記載されており、金属ガスケットの温度が基準値(130℃)を超えないことが国の審査で確認されています。
技術的な質問12.
キャスクと貯蔵施設の点検はどのように行われますか(期間、項目、審査等)。
(答)
○現時点で考えられている貯蔵中の点検項目としては、乾式キャスクの外観の目視確認、乾式キャスクの表面温度、乾式貯蔵建屋内の雰囲気温度及び乾式キャスクの蓋間圧力の監視(3か月に1回)と聞いていますが、詳細については今後検討するとされています。
技術的な質問13.
キャスクの貯蔵期間は最長50年ですか。
(答)
○ 乾式キャスクは、国の審査において設計貯蔵期間中(60年)には安全機能が維持されることが確認されています。
技術的な質問14.
キャスクの修理・交換が必要になった場合、キャスクの修理・交換場所となる使用済み燃料プールの耐用年数は何年ですか。
(答)
○原子力発電所については、使用済燃料プールを含め、建設の際に国の審査で安全性を確認するだけでなく、定期的な検査や長期的な経年劣化の評価などを通して設備の健全性や発電所全体の安全性が確認されることとなっています。
○なお、使用済燃料プールについては、仮に廃炉が決まった後も、使用済燃料を保管している間は、維持管理が必要な設備の一部として、計画的な点検や国の検査などを通して、健全性を確認しながら使用されることとなっています。
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