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本年1月18日付の要望・質問への県の回答

本年1月18日付の県に対する要望・質問への回答が先月送付され、また県のウェブサイトにも掲示されました。
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00361051/index.html
以下に転載します。四角で囲んだ部分は質問書の引用です。コメントは追って発表します。
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2018年1月18日付け質問書への回答
1.知事は、年間20ミリシーベルト以下の被曝は県民の健康に将来にわたっても全く影響しないとお考えでしょうか。(考えの根拠も示してください。)
2.上の9に示すように原子力災害対策指針ではUPZ外の市町においても避難計画の立案が必要であると定めていますが、知事が避難計画の立案をUPZ外の市町に指導しないのはなぜですか。(30キロ圏外であっても放射能の影響が及ぶ可能性があります。)
3.福島のような事故が起こった時、避難計画もないなかで知事はUPZ外の県民を被曝からどのようにして確実に守る計画ですか。その計画を公開してください。
(答)
○ 国の原子力災害対策指針は、福島第一原子力発電所事故における教訓や国際基準を踏まえた上で、住民への放射線の影響を最小限に抑えるための考え方として定められたものです。

○ 県の地域防災計画では、国の原子力災害対策指針を踏まえ、PAZ(5km圏) においては、放射性物質の放出前に予防的に避難を実施し、UPZ(5~30km 圏)においては、「全面緊急事態」となった場合には原則屋内退避としたうえ、空間 線量率が毎時20マイクロシーベルトを超える地域では1週間程度内、毎時500 マイクロシーベルトを超える地域では1日以内に避難することとしています。

○ 国際基準と比較した場合、上記の毎時20マイクロシーベルトに対して国際原子 力機関(IAEA)の基準は毎時100マイクロシーベルト、毎時500マイクロ シーベルトに対してIAEAの基準は毎時1000マイクロシーベルトとなって います。

○ 万が一、原子力災害が発生した場合には、この避難方法により、地域住民の皆さん への被ばくの影響をできる限り低減しながら避難していただくこととしています。

○ なお、福島第一原子力発電所事故の対応では、発電所から半径20km以遠の周 辺地域において、事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達 するおそれのある区域を計画的避難区域として、おおむね1か月間程度の間に順次 避難するよう指示されていますが、その後、福島第一原子力発電所事故や国際的な 基準を踏まえて策定された原子力災害対策指針では、上記の避難の考え方が示され たところであり、年間の被ばく限度量は明確に示されていません。

○ また、県では、原子力災害対策指針等に基づき、玄海原発からおおむね30km 圏内の玄海町、唐津市及び伊万里市の全域を原子力災害対策重点区域(PAZ及び UPZ)とし、避難計画を策定することと定めています。

○ これを踏まえ、PAZ及びUPZに所在する玄海町、唐津市及び伊万里市では、30km圏内の全住民を30km圏外の17市町で受入れることができるように、 避難計画を策定されているところです。

○ 一方、UPZ外の地域においても、国の指針を踏まえ、緊急時モニタリングによ り空間線量を測定し、一定の放射線量が確認されれば、UPZと同様に避難等の防 護措置を実施することになりますが、福島の事例からも放射線量の基準を超えて避 難が必要な地域は一定の方向に限られると考えられ、計画上避難先とされていても 使用しない施設を避難先として活用していくこととしています。

○ さらに、UPZ外で避難が必要となった場合には、十分な時間的余裕(空間線量 が毎時20マイクロシーベルトを超えた地域は1週間程度以内に避難)があると考 えており、その間に、PAZやUPZとの避難先の調整など、事態に応じたオペ レーションを検討し、実施することとしています。

○ このようなことから、平時から様々なオペレーションを考えておくことは大切な ことですが、事態に応じた対策をとるUPZ外の地域について、あらかじめ避難計 画を策定しておくことについては慎重な検討が必要と考えています。

○ なお、原子力災害対策指針の緊急事態応急対策において、UPZ外においても各 種の輸送手段、避難経路等を考慮した避難計画の立案が必要である旨が定められて いますが、これは実際に原子力災害が発生した場合に、災害の状況などを踏まえて 立案する具体的なオペレーションを意味しており、事前対策としての避難計画策定 が求められているということではないと認識しています。

○ いずれにしても、避難計画等の整備に「完璧」や「終わり」、そして「絶対」もあ り得ないと考えており、今後も考えられる様々な事態を想定した訓練を行うことに より、防災関係者や住民の対応力の向上を図るとともに、訓練による検証を通じて、 より実効性のある避難計画となるよう、不断の改善に取り組んでまいります。
4 昨年12月13日に広島高裁が、伊方原発3号機の運転差し止めの仮処分決定を下しました。「過去の阿蘇カルデラの噴火で火砕流が原発敷地に到達した可能性が十分小さいとはいえず、立地として適さないとしています。阿蘇山から伊方原発まで約130km、玄海原発までも同じ約130kmです。広島高裁の決定からすると、玄海原発も伊方原発と同じように「立地として適さない」、したがって運転すべきではないと考えますが、知事としていかがお考えでし ょうか。
答)
○ 玄海原子力発電所3、4号機の安全性については、火山影響も含めて、既に新規 制基準への適合性審査において確認済みであると認識しています。

○ なお、国は、安全性の追求に終わりはないとの認識のもと、新たな知見が得られ れば、規制に反映し、既設の原子力発電所にも適用していくといった姿勢を示して いますので、県としては、今後も国や九州電力に対し、安全性向上に向けた不断の 取組を求め、その取り組みを注視していきます。
要望理由の1から9までについても、どのようにお考えかを回答してください。
県としての考えは以下のとおりです。

○ 原子力発電については、折に触れ申し上げているように、原発に依存しない、再 生可能エネルギーを中心とした社会を実現できれば、これほど素晴らしいことはな いと思っています。

○ しかしながら、再生可能エネルギーについては、現状において、安定供給面、コ スト面などで様々な課題があり、また、火力発電についても、環境への負荷や燃料 の多くを海外からの輸入に依存していかなければならないという問題があります。

○ このため、エネルギー自給の観点で考えると、現時点においては、一定程度、原 子力発電に頼らざるを得ない状況と考えているところです。

○ こうしたことから、玄海原発の再稼働に関しては、昨年4月24日に「今回の再 稼働については、原子力発電に頼らない社会を目指すという強い思いを持ちつつ現 状においてはやむを得ない」との判断をしたところです。

○ このような考えは、熟慮に熟慮を重ねたものであり、現時点でも同様に考えてい ます。

○ 県としては、原子力発電に対する県民の不安などをしっかりと受け止め、何より も県民の安全を大切に、緊張感を保ち、これからも玄海原子力発電所と真摯に向き 合ってまいります。
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