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佐賀県に「原子力防災訓練に関する要求書」を提出

「さよなら原発!佐賀連絡会」は昨日、県庁に以下の「原子力防災訓練に関する要求書」を提出、消防防災課の副課長と1時間ほど話をしました。
以下がその要求書です。
対象としている県の文書はこちらです。
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00366699/index.html
()の数字は、次の「訓練要領」の中の「訓練項目別実施要領」にある()の番号です。また、各文末のページ番号はこの「訓練要領」のページです。
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00366699/3_66699_125611_up_5tixru78.pdf

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           2019年1月31日

佐賀県知事 山口 祥義 様

     さよなら原発!佐賀連絡会 代表 豊島 耕一

原子力防災訓練に関する要求書

 佐賀県は1月23日に平成30年度佐賀県原子力防災訓練実施要領を発表し、2月2日に原子力防災訓練が行われることになりました。私たちは、急遽これについて検討したところいくつかの問題点が見つかり、全く不十分と思わざるを得ません。
 知事が2017年4月24日玄海原発3,4号機の再稼働を容認されたので、2018年3月に3号機が、6月に4号機が再稼働しています。両機は原子力規制員会の審査は通っていますが、重大事故は起こらないとはどこにも書かれていません。先月配布された佐賀県の原子力防災の手引きの7ページには小さく「30キロ以遠にお住まいの方・・基準値以上の空間線量率が測定されれば避難(一時移転)」と記載されています。
 全佐賀県民を重大事故から守る責任が、佐賀県行政の責任者である知事にあります。
 2月2日の原子力防災訓練は参加組織も前回と比べて減少し、わずか半日で終了しますが、福島原発のような重大事故やそれ以上の事故の可能性を考えると、とりあえず次のような問題点を指摘したいと思います。
1.訓練項目別実施要領3(1)災害対策本部等設置運営訓練及び(2)緊急時通報連絡・情報伝達訓練は全県下が停電でも可能かどうかの検討が必要。(p.2, 10,11)
2.(3)気象情報提供訓練はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を利用しなければ放射能の拡散予測は困難。(p.12)
3.(4)ヘリテレ伝送システム等による情報収集訓練は、ヘリテレ伝送システムが悪天候等で使えない場合の代わりの方法の用意が必要。(p.13)
4.(5)緊急時モニタリング訓練は、結果がどのように県民の安全に生かされるのかが明確でない。(p.14)
5.(6)住民の屋内退避及び避難訓練は、避難時の渋滞、5キロ圏外の人も同時に避難開始でより混雑渋滞の可能性、急病人の発生、避難所の狭さ、飲用水、食料、寝具、トイレ、駐車場、福祉避難所の確保、避難の長期化(特に要援護者)等が検討されていない。避難者受け入れ先の全自治体も参加しての実際的な訓練になっていない。(p.17)
6.(11)屋内退避訓練は、放射線防護機能がない一般家屋では内部被ばくが避けられないことが無視されている。ヨウ素剤も配布されていない。屋内退避が長期化する場合、要援護者への支援等が不明。(p.30)
7.(12)原子力災害医療対策訓練の人のスクリーニングは、屋内で実施するべき。放射能で汚染された人や車両が多くなった場合の処置が想定されていない。汚染された衣服の着替え等も用意されない。(p.33)
8.(13)住民等に対する広報訓練は、停電や複合災害時はどこまで可能か検討の必要がある。(p.36)

9.(15)九州電力の原子力発電所における緊急時対策訓練では、大容量空冷式発電機の起動訓練が行われるが、起動しなかった場合の対策を訓練するべき。格納容器破損を防ぐための冷却水不足の場合の人による淡水池からの冷却水送水設備設置訓練や格納容器破損の場合の格納容器から漏れる放射能を放水法で確実に撃ち落せるかどうかの訓練を行う必要がある。
  県は九電に対して、想定される大事故で被害を原発敷地外に及ぼさないための訓練実施
を要求するべき。(p.42)

10.受け入れ先を明確にしたUPZ外の避難訓練、二次避難を想定した訓練も行う必要がある。

知事が2月2日に計画されたような訓練ではなく、重大事故が起こりうることを前提として県民の意見を反映した真剣な避難訓練を実施し、問題点を洗い出して県民に公表し、その対策を早急に取られることを要求します。
  原発の稼働を止めても使用済み核燃料等の放射性物質が原発敷地内に大量に存在する以上、避難計画そのものは必要ですが、重大事故の場合、県民を被ばくさせず避難させることは不可能ですし、県民は回復できない被害を受けることになります。知事は再稼働容認を撤回してください。

 1から9までについての県の見解と要求に対する回答を2週間以内にお願いします。回答まで何ヶ月もかかることのないようにお願いします

連絡先 杉野ちせ子  840‐0844 佐賀市xxxxx
     xxxxxxx xxx@xxxx
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