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玄海原発4号機1次冷却水ポンプ異常に関する質問・要望書を県に提出

さよなら原発!佐賀連絡会は,次の質問・要望書を佐賀県知事に提出しました.
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        2018年5月14日

佐賀県知事 山口 祥義 様

           さよなら原発!佐賀連絡会

玄海原発4号機1次冷却水ポンプ異常に関する質問・要望書

原子炉の冷却に最も重要な一次冷却水ポンプの故障は大事故につながる可能性があります。今回、同時に2台故障しており、一次冷却水ポンプの構造的欠陥も疑われます。しかも、稼働中の3号機でも同じ部品が使われています。

3月23日の玄海原発3号機2次系配管からの蒸気漏れに続き、5月2日には検査中の4号機の一次冷却水ポンプの異常が見つかっています。過去には、玄海1号機では1999年1月29日に一次冷却水ポンプが稼働中に異常を来たし、原子炉が手動停止されています。
3号機での二次系配管からの蒸気漏れのような一見小さな故障でも、大事故につながる可能性があります。1979年のアメリカのスリーマイル島原発事故では、二次系のトラブルが引き金となって一次冷却水の喪失、メルトダウンの大事故になりました。
今回の場合は稼働前とは言え、一次系のトラブルです。一次冷却水ポンプの稼働中の故障は、最悪の展開としては次のようになることが考えられます。

一次冷却水ポンプが稼働中に2台故障、一次冷却水が循環できず原子炉を冷却できなくなり温度と圧力が急上昇すれば、加圧器逃し弁が自動的に開き一次冷却水を加圧器逃しタンクに放出することになります。
このあと、もし逃し弁が開けっ放し(開固着)になり、一次冷却水の放出が止まらなければ、炉心溶融へ。また加圧器逃しタンクが満杯になれば放射能放出に。
さらに、制御棒が自動挿入され核分裂反応は停止するはずですが、もし制御棒の挿入に失敗し核分裂反応が止まらなければ、核暴走・炉心溶融へ。
緊急炉心冷却装置が稼働して原子炉に低温の冷却水が注入されるはずですが、もし原子炉容器が脆性破壊すると、直ちに放射能が放出される大事故へ。
緊急炉心冷却に失敗すれば炉心溶融へ。

原発の構造は極めて複雑で、冷却系に限らずそのあらゆる箇所にトラブルの原因が潜んでいます。玄海原発3、4号機と同じ100万キロワット級の原発の物量は、日本原子力学会編「原子力がひらく世紀」(第3版、2011年)によると、一基当たり熱交換器140基、ポンプ360台、弁30,000台、モーター1,300台、配管170キロメートル10,000トン、溶接点数65,000点、モニター20,000か所、ケーブル1,700キロメートルと、膨大です。
そのうえに6年4か月も停止中の4号機は、経年劣化など様々の不具合が生じていると考えられますので、十分な点検は困難であり、それが今回の一連のトラブルで証明されました。

【質問項目】
1.一次冷却水ポンプが同時に2台故障したことは、安全が危惧される深刻な事態です。
(1) 運転規定では4号機の1次冷却水ポンプの軸部に注入してタンクに戻る水の流量がいくらになれば警報が発信され、いくらになれば原子炉を停止することになっているか、また通常の流量はいくらか、把握していますか。
(2) 異常はどのような試験中に起こったと九州電力株式会社から報告を受けていますか。
(3) 九州電力(株)からの異常の報告の詳細を公表してください。
2.県は、1次冷却水ポンプの異常が稼働中に起こった場合、最悪のケースではどのように事故が進展するとお考えですか。
3.一次冷却水ポンプの部品が新品であるにもかかわらず4台中2台も同時に故障していること、2016年定期点検中の伊方3号機でも故障し、1999年玄海1号機でも稼働中に故障していることを考えると、構造的欠陥が疑われるのではないですか。検証してください。
4.県民の安全を最優先に考えるべき佐賀県は、九州電力(株)がこの膨大な物量の原発をどこまで、どの程度綿密に検査する必要があるとお考えですか。県の姿勢を明らかにしてください。それとも、規制委員会に全て任せるほかないとお考えですか。
5.玄海3号機蒸気漏れ、4号機にポンプ2台異常と小さい事故が連続していますが、小さな事故が大事故につながるのですから小さな事故も無くさなければなりません。
県は、小さな事故が連続していることを安全面からどうお考えですか。仕方がないとお考えですか。

【要望事項】
1.九州電力(株)に玄海原発3、4号機の点検の全容(検査の方法と成績、故障していた箇所とその原因、補修や部品交換を行った箇所、検査を行わなかった箇所とその理由等)と今回の1次冷却水ポンプの異常の原因究明の経過と結果、再発防止対策の公表を要請してください。
2.再稼働に慎重・反対の意見の専門家(小倉志郎・元東芝、田中三彦・元日立、後藤政志・元東芝、小岩昌宏京都大学名誉教授、井野博満東京大学名誉教授ほか)も参加する専門委員会や公開討論会を開催して、県民に今回の再稼働にどのような問題があるのか分かるようにしてください。
3.今回の異常を受けて玄海3、4号機の再稼働について、県内20市長・町長(GM21)、玄海原発再稼働に関して広く意見を聴く委員会、住民説明会などで、県民の多くの意見を積極的に聞いてください。
4.少なくとも一次冷却水ポンプに構造的欠陥がないことが証明されるまで、玄海3、4号機の稼働・再稼働を中止するように九州電力に申し入れてください。
5.知事は原発が必要な理由の一つとして再生可能エネルギーの問題を挙げられましたが、最近ではむしろ逆に危険な原発再稼働が安全な太陽光発電の普及を阻害する事態になっています(3月4日のNHK「あさイチ」など)。原発が大事故を起こせば、被災者の犠牲は取り返しがつかないのですから、さらに原発の絶対安全はあり得ないのですから、再稼働容認を撤回してください。
6.知事は、再稼働問題について私たち『さよなら原発!佐賀連絡会』と直接対話・意見交換の機会を設けてください。

回答を至急お願いします。

      連絡先 杉野ちせ子
      840―0844 佐賀市伊勢町9-20
      (携帯電話番号を記載)
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